バレリーナネイルをやりたいと思っているけど、「実際どうやって形作ったらいい の?」と思っている方は多いです。爪を削り出す前に、「こんなネイルにしなきゃよかった」とならないように、まずはあなたがイメージしているのが本当にバレリーナという形で合っているのか、バレリーナにするにも爪の長さは長めがいいのか短めがいいのかを理解しなければなりません。

またそれぞれのバレリーナの特徴やメリット・デメリットを知っておけば「こんなはずじゃなかった」という事態を避けられます。さらには、自分で形を作れない場合の対処法も存在します。 正しくやれば、思い通りのネイルが完成します。そこで、バレリーナネイルで重要な長さや形について解説していきます。

爪の形には種類がいっぱい

実は少しずつ違う!スクエアオフやコフィン、バレリーナの違い

爪の形は少なくとも8種類あります。その中でも今回解説するのはバレリーナネイルの形の作り方ですが、似ている形があるのをご存じですか?そこで、今やりたいネイルがバレリーナネイルで合っているのか答え合わせからしていきましょう。

バレリーナネイルと特に似ているのが、コフィンネイルと呼ばれる形になります。スクエアやスクエアオフと言った形も似ていますが、「先端までの太さ」「先端の角が尖っているか」「丸みがあるか」など、形成するにあたって多数の違いがあります。まずは、強度の部分で解説するため、バレリーナネイルとコフィンネイルとの違いを理解します。

このとき、名称の由来について理解するとイメージがつきやすくなります。

・バレリーナネイル…バレリーナが履くトゥシューズのように、爪の先端に向かって細くなり、爪先が平らな形を言います。 ・コフィンネイル…英語で「棺(coffin)」を意味する言葉に由来しており、爪の先端に向かって細くなり、爪先が平らな形を言います。

爪先が平らなことは共通していますが、先端に向かって細くなる過程が、少し丸みを帯びているのか直線なのかで変わってきます。コフィンは日本の棺桶(長方形)とは形が違いますが、海外の映画などでドラキュラが出てきそうな6角形の棺桶をイメージすると、基本的に直線でできているのが想像できるかと思います。それに比べ、バレエシューズをイメージするとつま先に向けて直角ではなく少し丸みがあるのがわかると思います。

このようにコフィンとバレリーナはほんの少し、爪の先端まで削る部分の線がまっすぐか少し湾曲しているかの違いになります。ここを間違えるだけで、形の印象が変わり名称まで変わってしまうのです。それは、爪が長くても短くても同じです。ただしこの形にするためには爪を平らに削れるほどの長さが必要になります。

コフィンとバレリーナの違いが理解できたと思うので、まず削って失敗する前に自分の爪がバレリーナネイルに向いているのか、形成できる程の長さがあるのか、また形作りの方法を理解していかなければなりません。

 バレリーナにする時のメリット・デメリット

それでは、バレリーナネイルにするメリットは何があるのでしょうか。主に以下があります。

・指を長く見せる効果

 爪の先端になるにつれ細くなるデザインなので、縦長効果によって長ければ長いほど指が長くきれいに見えます。

・トレンド感が出る

 海外セレブや韓国ネイルで人気の形なので、日本でもトレンドになりやすい。

・シンプルなデザインでも映える

 形のみで指がきれいに見えるため、ワンカラーやフレンチネイル、マグネットネイル、ミラーネイルのみのシンプルなデザインでも華やかに見えるのが特徴です。

・強度がある

 強度に関しては物理的な話で、一つ一つ説明していくと長くなります。そこでバレリーナネイルのみで説明すると、先端が平らで衝撃による力が分散されるため、ネイルが短いほど強度は高くなります。また引っかるような角もないため、欠けることも少ないです。現在ある種類の中では、中くらいの強度と言えるでしょう。

それに対してデメリットは以下があります。

・ある程度、爪を伸ばす必要がある

 短い爪だと平らにできず、さらには左右対称ではないといけないため、爪の白い部分(フリーエッジ)を伸ばしておく必要があります。

・形をセルフでやるのは難易度が高め

 きれいに見せるには左右対称になるのは必須ですが、削るヤスリ(ファイル)の角度ひとつで形が変わってしまうため、ファイルをうまく扱えるようになるには練習が必要です。これについてはプロでも苦戦することがあります。

・先端に厚みがあるデザインは不向き

 フォルムを整える時点で先を細くしているので、爪先にパーツを乗せたり、アートを多くしてしまったりと厚みによって細さが目立たなくなり、不格好になります。これは出来上がりの形が違う形になる原因となります。

・日常生活で不便になる場合も  バレリーナは長さが長い分、指が長く細く見えるメリットに比べ、長くするにつれ爪の先端も細くなります。つまり、強度に関して弱くなります。そのため、私生活をするうえで多少気にする必要があります。

 バレリーナにするなら短め?長め?太め?細め?

それでは実際のところ、バレリーナネイルにするときはどの長さや太さがいいのでしょうか。 これには、物理的な面と私生活による双方を考慮する必要があります。

長さ/細さによって強度も変わる!

先ほどメリット・デメリットの部分でもありましたが、長さによって強度が変わります。そのため、長さで迷った場合は、折れるのも覚悟で見た目を重視するのか、または、生活に気を使わないように過ごしやすい長さで作るのかどちらかになります。ある程度、ネイル生活を続けている中で長くしたり短くしたり試していると、自分の最適な長さが見つかることもあります。このとき迷ったら、以下の長さを参考にしてください。

短め:フリーエッジが1~5mm以内

 この長さは短めなので、縦長でスッとした印象にはなりにくいですが、短いため折れにくく、日常生活には支障が出にくいため、多少爪が伸びても気になりにくい長さです。

・中くらい:フリーエッジが5~8mm以内

このくらいの長さに収めるとバレリーナらしいシルエットも作りやすく、デザインも映えます。また強度も中くらいなので、ネイルのデザインを楽しみたい方にはおすすめの長さです。

・長め:フリーエッジが8mm以上  

この長さになると私生活にも影響がではじめ、強度も一気に弱くなります。だたし、ネイルデザインのキャンバスとしては面積が広いため、大きいパーツを乗せたり、より多くのアートが楽しめたりします。

バレリーナの形の作り方

必要な道具

・ネイルファイル(エメリーボード):爪の形を整えるヤスリになります。購入しようとするとヤスリの粗さがいくつかありますが150~220Gの間で選びましょう。迷った場合は180G(グリット)前後が削られすぎず、適度な粗さでおすすめです。

・スポンジバッファー:形を整えたときに、削った断面がギザギザしていることがあります。それを残したままだと、ネイルを塗るときに邪魔になります。そこでこのスポンジバッファーで取り除き、断面を滑らかにします。粗さは180~320Gの中で選びましょう。迷った場合の粗さは240Gをおすすめします。

左右のバランスがとれた整え方が大切!

道具を揃えられたら、実際に削っていきましょう。

  • 長さを決める:長さを決めたら、希望の長さよりも1~2mm程度長いくらいまで削ります。
  • 形を作る:まず、爪先の中心を見つけます。ネイルファイルを縦に持ちなおし、爪の両サイドを削っていきます。その際、縦にしたファイルは爪の下側から斜め45度くらいに傾け爪先の中心に向かって細くなるように爪の左右同じ角度で削り進めます。それを片手5本続けてやります。
  • 形を整える:ある程度形が整えられたら、最後5本指を揃えて全体的なバランスを見ます。長さを決めたとき1~2mm残していると思うので全体を見ながら丁寧にそろえていきましょう。
  • 角を少し削る:このままだと角が尖りすぎていて、引っかかりの原因となるので、ファイルを1~2回触れているか触れてないかくらいの力でスーッと通します。削りすぎてしまうと、スクエアオフの形になってしまうので注意が必要です。

断面を滑らかにする…最後はスポンジバッファーを使って、削った断面を滑らかにしていきます。力をあまりかけずに優しく削りかすなどを取り除いてください。力をかけすぎるとせっかく整えた爪がかけてしまう可能性があるのと、ならすことによってだんだん形も変わってきてしまうので注意してください。

セルフで失敗しやすいポイント

ずっと同じ角度で見ていると、左右が非対称になっていたり、先端が斜めになっていたりしても気付かず、「削り過ぎていて取り返しがつかない」ことがあります。そこで最初は完璧に削るのでなく、ある程度整えたら、一度手の角度を変えて違った視点から削ったネイルを見てみると、ゴールが見えてきます。

また、「早く終わらせたい」と思っているとファイルを持つ手に無意識に力が入ってしまい、削る力が強すぎて爪を削りすぎてしまうことがあるので注意が必要です。失敗を防ぐためには、優しく一定の力を意識しましょう。

自分でできそうにない時の対処法

違う形にシフトチェンジ

もし、やっぱり難しいなと思ったら違う形にシフトチェンジしましょう。バレリーナは練習が必要なほど難しい形です。

形をある程度整えてから諦めてしまった人は、スクエアオフやオーバル、ラウンド、ポイントにシフトチェンジしてみましょう。

市販のネイルチップを使う

また、自分では形づくりは難しそうだけど、どうしてもバレリーナネイルがやりたいというときは、市販やネットでも売っているクリアのネイルチップを使って爪に貼り付け、アートをする方法もあります。

【応用】ネイルチップを使って長さだし・補強

バレリーナネイルをやりたいけど「爪が短い」「爪が折れてしまった」というときにも、市販のネイルチップで長さ出し、補強が可能です。ネイルチップにはある程度の強度があるため、亀裂の補強になります。普段から爪を酷使していなければ、ある程度の私生活にも耐えることができます。

なおすべての爪をネイルチップにする必要はなく、補強が必要な部分だけネイルチップを使い、他は自爪ということが可能です。

貼り付ける方法は、ネイルチップ専用の両面テープを使うか、専用のジェルネイルを使って接着します。このとき、強度を出したい場合は接着専用ジェルの使用をおすすめします。接着後にハードジェル(硬めのジェル)を使用するとさらに強度は上がります。ジェルのメーカーによって塗布の順番は変わりますので、使い方をよく見てから使用しましょう。

理想のバレリーナネイルに仕上げる

形を理解したうえで進めることにより、遠回りをせず理想のネイルに近づけることができます。また、ネイルは頭で考えながら手を動かすので、気持ちが手に反映され、力が入ることによって直線が斜めになってしまったり、ゆがんだりしてしまったり、形が変わってしまいます。特に100%を意識して修正を繰り返していると、完成から遠くなってしますことがあります。

納得いくネイルを作るためには、好きな音楽をかけたり、アロマを焚いてみたり、リラックスできる状態で行うといいでしょう。完璧を求める前に50%の土台を作り、80%程度の完成を目指すと納得いくネイルができます。